第三十七話 専業主婦37歳 多恵の場合
主婦にとって退屈とは何よりも恐ろしいものである。
専業主婦を営んでいた多恵にとってもそれは例外ではない。
まだ女盛りの年頃の多恵はその雌らしい肉体と欲情を持て余していた。
そんな彼女はある日、通話アプリを通して年下の大学生と出会う。
何か刺激が欲しいと彼に伝えると、彼は電話越しにセックスを行う事を提案する。
「大丈夫、俺に任せて多恵さん。それじゃ下着になってほしいな。」
急な要望に困惑する多恵、戸惑いながらも多恵は彼の指示に従っていく。
ブラジャーを脱ぎ、硬く隆起した乳頭を指で刺激し、陰毛が生えている女性器へと手を伸ばす。
徐々に大きくなる喘ぎ声、いつしか彼女の膣からはどろりと濃い愛液が零れ落ちていく。
甘く蕩けるような未知の快楽を、熟れた女の身体は覚えていくのであった。
会社員の旦那と結婚してもうすぐ9年になる多恵は、その日も子供を幼稚園に送ったあとスーパーで夕食の買い物をして家路に着いた。
それから洗濯を回して朝ごはんの片付けを行い簡単に家の中を掃除する。
ここまでやればあとは幼稚園のお迎えまで自由時間となる。
専業主婦の多恵にとってこの自由時間が何より苦痛だった。
はじめは子育てから一旦開放され久しぶりに自分のために時間を使えることを楽しんでいたが、それも数ヶ月が経つ頃にはすっかり飽きてしまった。
周りにも働いているママ友はいるが、多恵の子供はよく風邪をひいて幼稚園を休むため、なかなか働く気にもならないでいた。
今日も主婦の仕事を終わらせ一息つく多恵。
「暇だわ。こんな刺激のない毎日がいつまで続くのかしら。」
平穏な毎日に幸せを感じながらも、どこかで刺激を求めていることは多恵自身が一番良くわかっていた。
今日もいつものようにネットサーフィンにふけっていると、ある主婦の口コミサイトにこんな投稿を発見した。
『私は38歳の専業主婦です。以前は毎日がつまらなくて仕方なかったですが、通話アプリを始めてからは毎日がとても楽しくなりました。こんな私はふしだらですか?』
興味を持った多恵は更に読み進める。
無料の通話アプリを使ってランダムに見知らぬ相手との会話を楽しんでいるという内容だった。
更にその投稿者は、通話相手を男性に絞り、会話だけのアバンチュールを楽しんでいるらしい。
「私もやってみたい。」
そう思った多恵は早速通話アプリをダウンロードして、少し緊張しながら通話を開始した。
初めての電話の相手は年下男子
多恵の初めての通話相手は若い男だった。
「はじめまして、何してる人?」
いきなりそう聞かれた多恵は「あっ、私専業主婦の多恵と言います。」と思わず本名を名乗ってしまった。
「それって本名?ここでは素性を明かさないように偽名を使ったらいいんだよ。」
そう言われた多恵は恥ずかしくなり
「すみません。」と弱々しい声で答えた。
「あんた、初心者でしょ。俺が色々と教えてあげるよ。」
相手の男は大学生らしく、午前中に授業がない日は暇つぶしにこの通話アプリを使っていることがわかった。
「それで、あんたは何を話したいの?」
そう聞かれた多恵は少し考えてから
「実は、専業主婦ってとても退屈なんです。何もなさすぎておかしくなるんじゃないかと思うくらい。だから、その、毎日に変化がほしいなと思って。」
「なるほどね、要するに刺激がほしいんだ。」
本音を見透かされ多恵は真っ赤になり黙った。
「恥ずかしいことじゃないじゃん。ここで話したい人はみんな刺激を求めてるんだし。顔の見えない相手だからこそ大胆になれる場合もある。」
確かに顔が見えないと何でも話せるかも、多恵はそう感じていた。
「それじゃ、刺激を求める多恵さんに俺からプレゼント。今からエッチしよ。」
「えっ、会うの⁉」
「違うって。電話しながらエッチするってこと。まぁオナるってことだよ。」
「なにそれ?そんなことできないよ。」
「大丈夫、俺に任せて。多恵さん、今スカート履いてる?それじゃ下着になってほしいな。」
多恵が渋っていると
「刺激がほしいんでしょ?」
と背中を押された。
年下の、しかも大学生とのエッチ。
実生活では一生縁のない体験ができるかもしれない。
多恵は勇気を出してスカートを脱いだ。
初めてだけど感じてしまう…
「あの、上は?」
「まだ脱がないで。多恵さん下着何色?」
「赤、だけど。」
「ヤバいね、それ聞いたら俺もう起ちそうだよ。」
「早いって。」
多恵にも少し笑う余裕が出てきた。
「それじゃあ、自分で胸を揉みながら乳首いじってみて。あ、服の上からね。乳首が服に擦れる感じで。」
多恵はぎこちない手付きで言われた通りにする。
しばらく沈黙が流れた。
「どう多恵さん、感じる?」
「すごく恥ずかしい。」
そう言いながらも多恵は自分で乳首を刺激した。
オナニー経験はあったが、そんな姿を誰かに晒しているかと思うと、恥ずかしさと興奮が抑えられなかった。
声は我慢していたが吐息が溢れてしまう。
「気持ちよくなってきたね、多恵さん。」
「えぇ。」
「それじゃあもっと多恵さんのエロい声聞かせて。パンツの上からクリトリスいじってみて。」
言われた通り今度は足を大きく広げてクリトリスを刺激してみる。
多恵の下着が既にびっしょりと濡れていることがわかった。
「声聞かせて。」
優しく耳元で囁かれ
「んんっ、」
思わず声がもれてしまう。
「かわいいよ、多恵さん。もっと聞きたい。我慢しないでイクときは言って。」
多恵は本能のままにクリトリスを刺激した。
「ねぇ、下着、脱いでもいい?」
急に大胆な発言をした多恵に少し驚く男の子だったが
「もちろん!裸になって膣にも指入れてみて。」
多恵は興奮を抑えながら下着を脱ぎ捨て、更に足を開いて膣内を指で掻き回した。
「あぁぁっ」
今度は大きな声が出る。
「気持ちいいっ、恥ずかしいのに。私おかしくなりそう。」
「大丈夫、俺も今めっちゃ気持ちいい。多恵さんのエロい声最高。イキそう?」
「うん、もうすぐ、あ、イキそう。イク、イクッ」
そう言って多恵は激しく痙攣すると思わず携帯電話を床に落とした。
慌てて拾い通話が切れていないことを確認する。
「大丈夫?もしかして携帯落とした?そんなに気持ちよかったんだ。なら俺も嬉しいよ。」
「うん。ねぇ、君はイッたの?」
「イッたよ、でも多恵さんの声が遠くなったから多分携帯落とした時かな。俺たちほぼ同時にイッたね。」
軽く笑ってそう言った男の子だったが、
「多恵さんありがとう。楽しかったよ、じゃあね。」
そう言って電話が切れた。
何ともあっけない別れにしばし呆然とする多恵。
やがて冷静なると
「顔が見えない相手とエッチしちゃった。」
多恵は嬉しさと気恥ずかしさでしばらくニヤついていた。