第二十九話 OL22歳 友子の場合

顔も素性もわからない状態であれば普通の女も普段隠しているエロさを惜しみなく発揮することができる。
そのような場所は早々ないように思うかもしれないが、確かにその場所は存在する。
それはテレクラやツーショットダイヤルという場所だ。
音声だけで顔はおろか個人情報は何もわからない世界。
この世界に足を踏み入れ、深みにハマっている女のエロさは想像を絶するものがある。
今日の女、友子(OL22歳)もこの世界にすっかりハマっている女の一人だった。
偶然この世界に足を踏み入れようた今回の主人公をテレフォセックスの世界に誘惑をする友子。
恥ずかしさはあったものの、未だかつてない興奮と快感を感じた彼はそのまま彼女にリードされながらテレフォセックスという世界を初体験する。

テレフォンセックスに濡れた女たち
テレフォンセックスに誘う痴女のOL

プルル…プルルルル…

『こちら テレクラサービスです』

『年齢をダイヤルしてください』

ピッ…ピッ…

『ただいまお繋ぎします』

プルル…プルルル…

「もしもし、初めまして」

「は…、はい、はじめまして…」

どうしよう、本当に繋がっちゃった…。

俺は耳心地の良い声を聞きながら心臓を抑えていた。

街中で見かけたテレクラの看板をきっかけに…

キッカケは街で見かけた看板だった。

テレクラができました!という旨が書かれた安っぽいそれを見て思わず「昭和にタイムスリップしたかな」とツッコミを入れたのを覚えている。

大体、今は若い人にテレクラと言って伝わるかどうかという時代だ。

とても需要がある気がしない。

そう思いながらも、内心は好奇心でいっぱいだった。

テレクラが流行ったのは俺が幼いときだった。

大人たちが電話をして、相手と話し、エッチなことをする。

その程度の知識はあったものの、一度として体験することなく大人になるにつれ廃れてしまった。

…好奇心に負けて、気づいたときにはスマホのダイヤルを押していた。

プルル…プルルル…とダイヤル音が、静まり返った部屋に響く。

繋がったかと思えば自動音声が流れ出して、今に至る。

エッチなお姉さんにリードされながらテレフォセックス

「電話するのははじめて?」

「え、いや、あの…その…」

「好奇心で電話したって感じかな」

フフッと笑う声に少し緊張がほぐれた。

それから数分、他愛もない話をして気持ちが落ち着いたころ、こう言われた。

「ねぇ、わたしが今からひとりエッチするのを聞いててくれない?」

「は?!…え?はい?!」

「ごめん、君の声聞いてたら何だか我慢できなくて」

ごめんね、と再度申し訳なさそうに言われてしまうと何も言えなくなる。

俺は深呼吸してから、意を決して答えた。

「い、いいよ!大丈夫、聞いてるね」

あー、大丈夫って言っちゃったよ!

何を聞くって!?これから女の子のオナニーを聞くのか…!

でも…受話器越しの声が何だか優しくて、俺は簡単に絆されてしまった。

「無理しなくてもいいよ?」

「無理してない、大丈夫だから」

「じゃあ…最後まで聞いていてね?そっちの方が気持ちいいから」

「う…うん…!」

そう言うと無言になった。

程なくして、少しずつ荒くなった息が聞こえてくる。

「切らないで。お願い、聞いてるだけでいいから」

はっ、はっ、と吐かれる熱を帯びた息遣いが脳に響く。

うわ、俺も興奮してきた。

気づいたときには俺も興奮していて、はふはふと息を乱していた。

腰に甘い痺れが走る。こんなに興奮したのは久しぶりだった。

「ふふ、興奮しているの?」

「そ、そんなこと…!」

「触っていいよ。一緒にシよう」

触って、そう…。

俺を誘惑する声に従って、ズボンの中に手を突っ込んだ。

手を動かしていくたびに、ジワジワと増す快感に火傷しそうになる。

心臓がバクバクするほど興奮を感じた初めてのテレフォセックス

「我慢してる?もっと声出していいよ」

「は、はずかし、から…」

フフ、と笑い声が聞こえて余計に恥ずかしくなる。

「ねぇ、濡れてるの?」

「ぬれっ…!そんな、」

「知ってるよ、音聞きたいな。スマホを濡れてる所に持っていってよ」

「…お姉さん、ヘンタイ」

身体に電気が走る。

「はやく」、と急かされて緊張と興奮で手を震わせながら熱を持つ場所へ受話器を当てた。

いつもより多く溢れるカウパーがどれだけ興奮しているかを悟らせる。

恥ずかしさに手が震える。

糸を引いていて、すごくエッチだと思った。

「も、むり……」

「はー…、かわいいね」

声で聴覚まで犯される。腰が揺れる。

頭の中まで犯されているみたいでゾクゾクする。

下半身がジクジクと疼く。

俺の声はさらに大きくなる。

「あっ、ふ、ぅ、きもちい、ひぁッ」

「エロ……うん、気持ちいいね、ハァ、」

「ひんッ、これすご、あっあっ、は、ァ、手、とまんな、ふぁ、」

「一緒にイこう、はぁ、気持ちいい、ッ…」

二人の息が最高点に達した時、苦しげな声とともに熱が溢れた。

その様子をしばらくボーッ見つめていたら、受話器から声が聞こえた。

「ああ、そろそろ時間だね。またね」

また、返事をする前に電話は途切れてしまった。

「またねって……」

どうしよう、めちゃくちゃ心臓うるさい。

俺は体を小さく丸めて、ばくばくと鳴る心臓をどうにかしようと必死になっていた。

興味本位でかけただけなのに。

何かとんでもないもことをしてしまった気がしていた。