第四十一話 女子大生19歳 マリコの場合
男に甘えたい、そう思うのは女の本能なのかもしれない。
女子大生のマリコもまた、男に甘えたかったのだ。
欠けた心を補うために、異性に電話をかける毎日。
けれど出会う男達は皆、マリコの傷を癒すことはできなかった。
このまま満たされないまま終わるのだろうか。
そう考えていたマリコであったが、彼女はテレクラで初めて彼に出会う。
泣き続ける彼女を優しく慰め、熱く抱きしめてくれる彼。
電話越しに聞こえる彼という存在に、マリコは徐々に惹かれてしまう。
禁断の恋だと知りながら、満たされぬ身体のまま彼を求める。
私はマリコ。
今は40歳で主婦をしています。
今でもあの体験を思い出すとドキドキして若かった頃を思い出します。
私が依存していたのは、テレフォンセックスの人気が落ち着いてきた頃でした。
大学3年生、19歳で彼氏はいませんでした。
いたのは不倫相手だけ。
なぜか人の旦那さんに惹かれてしまうのです。
私の恋愛の変わった癖は、幼少期の経験が原因だと思います。
母を早くに亡くし、父と祖母と暮らしていた私。
父は祖母の言いなりで、つまらない人でした。
子育てもしたことがないので2人で出かけることもなく、仕事ばかり。
私は父に甘えたいのをずっと我慢していました。
その甘えたい衝動が大人になってテレクラにはまることに繋がったのです。
私の見た目は中の中。
本当に普通の女子でした。
ただ、経験だけは豊富なので少した謎めいた雰囲気が出ていました。
年上の男性に甘えるのが上手い私。
でも相手は既婚者。
そして不倫。
いつもそんなことばかり。
私は毎晩、自宅の電話からフリーダイヤルのテレクラに電話して、大人の男性と繋がるのを待っていました。
繰り返すテレフォンセックス、満たされぬ心
声は甘ったるくしていました。
いかにも引っ掛けやすそうな私。
毎回、男性は会おうと言ってきました。
私は誰か会話をしてくれる人が欲しかったのです。
もう不倫は嫌でした。
テレフォンセックス目的の男性はみな、会話中は優しくしてくれました。
きれいだよ、胸が大きいね、締まりがいいね、ああいきそうだよ!私は色んな技を覚えました。
おまんこの濡れた音は聞こえにくいから受話器をおまんこに直接つけたり、フェラチオしてるイメージで指をチュパチュパしたり。
実際に横になって指を出し入れすると、本当に相手が私を抱いてくれているような気がして、すごく嬉しかったし幸せでした。
ただ、男性は射精が済むと、さっさと電話を切ってしまうのです。
若い男性と繋がったことがありました。
同い年くらいで友達と面白がってかけていたみたいです。
複数テレフォンセックスしようよ!と、相手は受話器をスピーカー状態にして、みんなで私の喘ぎ声を聞いていました。
口に入れたり、おまんこに入れたり、お尻にも入れられたり。
想像は膨らみ、すごく股間が濡れました。
こんなにエロいテレフォンセックスは初めてで、たくさんの男性に抱かれている私は幸せだと思いました。
でも、みんながいった後、「本当に最高じゃん、安く風俗行けたみたいな感じだな!今度会ってみんなで乱交しようぜ」と言われました。
あぁ、また私は性の奴隷なんだ、ただのオナホなんだ。
寂しくなった私は電話を切りました。
誰か、誰か電話を切った後も優しく包み込んでくれる人はいないのかな。
そう思い、毎晩テレクラに電話をかけ続けていました。
そしてある日、38歳の男性に繋がったのです。
いつもはいきなりセックスの話をする人ばかりなのですが、この人はこんばんは、どんな方なんですか?と聞いてくれました。
私はなぜか全てを語っていました。
小さい頃辛かった、父に甘えたかった、不倫ばかりの生活から抜け出したい。
知らないうちに泣いていました。
彼は黙って「今、マリコさんを抱きしめてるよ、大丈夫。ね。」と言ってくれました。
心が温かくなって、しばらく幸せに浸っていました。
私はテレフォンセックスしていないことに気づいて、「キスしようよ」と甘えました。
彼の熱い息遣いが聞こえてきました。
「こんな話のあとに、大丈夫?抱いてるよ、今マリコさんの体温感じてるよ」
と気遣ってくれる彼。
私は彼と一緒になりたい!と思いました。
でも彼は既婚者。
テレフォンセックスでたくさんキスしました。
乳首をお互いに合わせているように刺激しました。
舐めてくれているようにクリトリスを指でいじりました。
床が濡れるくらい私はぐちゅぐちゅになりました。
「マリコさんに入れたいよ」
そう言われただけで、彼のモノがぐいっと入ってくるような感覚に陥り、腰が浮きました。
ああ!!喘ぐ私に彼は「僕も行くよ、一緒にいこう」と、優しい声で包み込んでくれました。
いったあと、彼は「ありがとう、とっても気持ちよかったよ、またここで会えたらいいな」と言ってくれました。
初めて、テレクラで癒されました。
その後、何度も彼に会いたくて電話をしました。
その後、彼に繋がることはありませんでした。
私はその後もテレクラを続けましたがいい人に巡り会えず、彼が最高のパートナーでした。
あんなにテレクラで愛を求めていたのに、彼に出会ったことで本当の恋をしてみたいと考えるようになりました。
その後、テレクラを卒業し、ありのままを受け入れてくれる人に出会えました。
今でも彼のことを考えると濡れるけれど、不倫をしたい気持ちは無くなりました。